木の音日記

キコリのKinoNeが日々の仕事について書きます。

固定式グラップル

伐採した木を集材、造材するのに使用する重機だが、僕はグラップルが好き。特に0.16の小さいベースマシンに固定式グラップルが1番楽しい。揺動式(ヘッドがプランプラン動く)はどうも苦手。

静岡で働いてた時にビックリするくらい上手な先輩がいて、その会社は仕事の内容が固定していて、その人は10年くらいグラップルしか乗ってない。作業道に倒された木を2人セットで造材するのだが、ほんとにグラップルに抱えられるような形で造材をしていた。作業道に倒された木を4mの尺棒(細い4m竹の先に使い古しの丸ヤスリの折った先を刺し引っ掛けを作ったもの)で測長し、玉伐りする。造材する方は待つ時間なんてなく次から次へと出される木を玉伐っていく。それも、造材しやすい場所にうまく置いてくれてチェンソーが挟まれないようにヘッドを添えてくれたり、上から滑ってくる材を受け止めてくれたり、なんか女子が男のバイクの後ろに乗ってキュンキュンするあれと似たような感覚にさえなった。1日中ガンガンやるので夏なんかぶっ倒れそうになりながらなんとかこなしていた(1度ぶっ倒れて3日休んだ)

土地も山も事業体も変われば方法もかわる。今の会社は、伐採士が伐採後測長し造材の印をつける。造材は基本1人でやる。どっちがいいかはわからないが作業内容が固定じゃないので必ず造材が2人と限らないのでこれでいいとも思える。

グラップルにはだいぶ乗ってるがまだまだ静岡の富士宮のHさんの足元にも及ばない。f:id:kinone:20160609073443j:image

 

現場の管理

林業歴8年ともなると、さすがにいち作業員ではなく、現場の管理を任されるようになる。事業体によって、班長だったり管理者だったり呼び名は色々。そして仕事も色々。その日の仕事の内容だけまとめるだけのところもあれば、うちのように、事務的な事、補助金申請だったり収支をまとめたり、人や重機のやりくりだったりとか。
これが結構大変。
大変と言っても、難しいとは違う。ただ、山の仕事に没頭できないから、忙しい、という思いになってしまう。こういう仕事、と割り切れればいいんだけど。
今日は朝の時点で、集材作業をしようと思っていたが、急遽入った個人客薪の準備や、重機の移動、新しい施業地の会議、現場間の調整会議。
1日が終わってしまった。
明日はゆっくり(といっても汗かいて)集材作業できるかな。

クリばっかりでやになっちゃう

いきなりのマイナス発言。
今管理している現場の1つ。ここは雑木林。40〜60年生のクリ、ホウ、ミズキ、ナラ、コシアブラ、などなど。
そしてクリが大半を占めている。
胸高直径20〜30cm位。
これは薪になる。
うちの会社では薪を結構出している。良く林業と聞いてイメージする杉、檜などはほぼ、ない。あってカラマツ。
そして薪は、ナラと他の広葉樹に分けて売っている。ナラは値段も高いし、待ちが出る程売れる。その他の広葉樹はナラに比べ値段は安いがあまり売れない。
やっぱり薪ストーブユーザーはナラを燃やしたいのかな。ナラ山なら本当に嬉しいんだけど、ここは…題名のとおり…
30〜40m3/haで、ほぼナラ以外の広葉樹。売れ残りませんように!

2年前に開けた作業道でミニバッグベースのグラップルで集材造材を行う。
淡々と。たまに真っ直ぐな太めのクリは市に出す。高値で売れます様に!

また明日も同じ作業かな。
がんばろう。

いやー…内容薄いな(笑)

何から書こうか


林業歴8年。
本当は、林業を始めて右も左もわからない時からの成長の記録をブログでつけよう!とか、思ってたけど、いつの間にか、8年経。
でもまだ遅くない。古い日記を読んで、うわー、懐かしい!トカ、生意気な事言ってる…トカ、間違ってるよね、トカトカ、自分で楽しむ為に書き綴る。

出身は福島県福島市。36歳。
18歳、高校を卒業して上京。
音の道に邁進するも、挫折、いや紆余曲折を経て長野へ。
その後、林業に出会い、始める。
音楽の為に山での生活、山での仕事を必要としている。
山仕事を生業にする者の音楽。
somaf music

そしてここは、そのsomafの部分を書き綴る場所として作った。

somaf=杣夫=杣人=樵=きこり=林業従事者
厳密にいうと=ではないけど、緩く捉えてそういう事にする。

長野県最南端の小さな村で3年間勤め、最低限の、架線技術を学ぶ。
村の生活に馴染めず(音楽ができず)次の土地を探す。
東京から西へ。鎌倉、藤沢。おしゃれで音楽やるにはよさそうだけど、海。神奈川唯一の村も通ったけど、その下の厚木森組があまりにもやってない感じで、あぁ、ムリかな。と思った。あと、あつい。
伊豆。ここは迷った。でも、生活が大変そうでやめた。あと、あつい。
富士宮。富士山の見える朝霧高原の近く。山と音楽のバランスがよさそうで、決める。1年働くも会社の事情でやめる。あつかった。
この辺はまたの機会に書こうと思う。

そして現在の安曇野へ。
ここは、友達が住んでる事もあり、故郷福島に景色が似ている事もあり、前からすごく住みたい、好きな場所だった。
でも林業後進地。会社も少なく無理だろうと諦めていた。
ひょんなことから繋がって、トントン拍子、とはいかないまでもなんとか入り込む事ができた。

それから4年。

ここに骨を埋めるつもりで頑張ってる。
自分の為に会社の為に。


現在の仕事
伐採、集材、搬出/いわゆる林産てヤツ
作業道開設
作業道チーム
架線チーム
現場管理

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管理する南鷹狩山から、大町市を望む